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豊胸術の中で最も持続効果が高いのは、胸に豊胸シリコンバッグを挿入してバストアップを図るバッグプロテーゼ挿入法です。
数十万~100万円近く脂肪注入法に費やした後「こんなに持続年数が短いなら、最初から豊胸バッグでバストアップすれば良かった」と、バッグプロテーゼ挿入法をで再手術受ける人も少なくありません。
豊胸バッグは日進月歩で改良が進んでおり、種類にもよりますが、寿命は「10~30年」と他の施術よりもかなり長期的に保つようになっています。
ただし実際はそれよりも短い年数で「歳を取って胸が不自然になってきたので、抜去をしたい」という人も多く、美容クリニックでは豊胸バッグの耐久性問わず「10~15年に1度入れ替えるのが望ましい」と言われています。
その為、バッグプロテーゼ挿入法による豊胸術を希望する場合は、定期的にメンテナンスを受けて、将来的には「除去や入れ替え」をすることまで考える必要があります。
この記事の目次
豊胸バッグの寿命
豊胸バッグの寿命とは、ざっくり言って「破損や形崩れが起きて、バストアップの機能を果たさなくなり、抜去や入れ替えが必要になった」時を指します。
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最新の豊胸バッグは高性能で寿命が長いものが多いですが、豊胸バッグの種類によって耐久性は異なります。
【生理食塩水バッグ】
豊胸バッグの中に人間の体液と同じ浸透圧をもった生理食塩水が使われているタイプ。
寿命はシリコンバックと比較して短く、10年~15年ほど。
生理食塩水バッグやハイドロジェル(CMCなど)は、内容物を包み込む皮膜が弱いので、早くて3年で何らかの破損が起きる可能性が高いです。
【豊胸シリコンバッグ】
コヒーシブ・ソフトコヒーシブシリコンバッグなど、シリコンタイプの豊胸バッグは、生理食塩水やハイドロジェルよりも皮膜が強く、寿命も非常に長いです。
約2~3倍の30年はもつと考えられています。
あわせて読みたい:
触り心地や安全性に違いあり!豊胸バッグ(人工乳腺)の種類と特徴は?
豊胸バッグの入れ替えや抜去になる時とは?
豊胸バッグの寿命に関しては「10~15年」と説明するクリニックが多いです。
これは豊胸バッグが破損や変形が起きる(=寿命を迎える)のが10~15年ということだけでなく、「入れ替え時期としてはその年数が望ましい」という場合も含まれています。
年齡や体型の変化など寿命以外の理由で、豊胸バッグが寿命を迎える前に抜去や入れ替えをする人も少なくありません。
例えば「加齢で胸が垂れ下がることで、豊胸バッグの位置が不自然になった」時期が、丁度豊胸手術を受けてから10~15年経つ頃だったという場合も考えられます。
また海外のクリニックでは、10年に1回の豊胸バッグの入れ替えを推奨しています。
「半永久的だから、何のメンテナンスや入れ替えをしなくて良い」と言う訳ではありません。
豊胸バッグの抜去、入れ替えは前回と同じ切開が行なわれますが、場合によれば乳輪周囲や乳房下の切開が必要になる可能性もあります。
豊胸バッグ抜去を希望する理由は、本当に人それぞれですが「良く言われる理由」を、まとめてみました。
拘縮による胸の硬さや不自然さが出た
数年前にバッグプロテーゼ挿入法による豊胸術を受けたが、片胸だけ硬い状態が続いており、違和感を感じている。
体重が減り、バストの脂肪が無くなった為か、胸に「ボコボコ」という感触が目立ってしまった。
豊胸手術で豊胸バッグを挿入すると、数週間~1ヶ月で豊胸バッグの周囲に皮膜(カプセル)が形成されます。
これをカプセル拘縮と言い、異物に対する正常な防御反応なので「カプセル拘縮自体が悪い」という訳ではありません。
薄くて良質な皮膜であれば、自然に馴染んでいきますが、皮膜が必要以上に周囲を厚く取り囲んでしまうと、バストの柔らかさが無くなったり、不自然な形になりやすかったりします。
カプセル拘縮を防止する為には「マッサージ」や「拘縮予防薬の服用」、「最新のテクスチャードタイプの利用」などが挙げられます。
それでも胸の硬さや不自然さが改善しない場合は、抜去を行ないます。
豊胸バックが抜去できれば、皮膜は自然に体内へと吸収されるので、皮膜は取り除かれません。カプセル拘縮は無理に取り除くと大出血が起きたり、体へのダメージが大きいのも理由に挙げられます。
バストが波打つ「リップリング」が起きた
アンダーバスト部分がボコボコしており、触るとすぐにシリコンバッグの縁が触れるような感じがある。
豊胸バッグを挿入後、バストの一部にシワが寄ったように波打ったり、バストを動かすと盛り上がって見えたり、触るとボコボコしてバッグの辺縁に当たる感覚があったりします。
これを「リップリング」と呼びます。
元々胸が小さい人や脂肪量が無い人は、豊胸バッグを挿入するスペースが限られている為、どうしても端の部分が折れ曲がりやすく、リップリングが起こる可能性が高いのです。
また術後直後は問題が無くても、生理食塩水バッグや流動性の高いスムースタイプだと、時間の経過と共に症状が現れることもあります。
放置しても状態が回復することは無く、むしろ放っておいたままにすると、豊胸バッグが圧迫により皮膚が薄くなり、最悪、穴が空くこともあります。
リップリングの症状が出た場合は、なるべく早く美容クリニックを受診して、除去してもらう必要があります。
詳しくは:豊胸バッグ挿入手術の後遺症「リップリング」が起こる原因と改善策は?
豊胸バッグが破裂して、中身が流出した
今月になり、片胸のバッグが縮んでいるのに気付いた。大きな痛みは無いので放置しているが、将来的には抜去を考えている。
破裂の特徴としては、生理食塩水バッグは「急に胸がぺったんこになった」、シリコンバッグは「指で押すと変形して、元に戻らない」という症状が挙げられます。
基本的に豊胸バッグが破損しても身体に害はないのですが、場合によっては炎症を起こしたり、痛みが出たりする可能性もあります。
何にせよ「豊胸バッグが破裂した」感触があれば、なるべく早くクリニックを受診して、最適な除去方法を相談する必要があります。
新しい豊胸バッグに入れ替えたい
加齢によりバストに合わなくなり、不自然さが出てきた。
「安全性に問題がある」と言われるCMCバッグまたはPIPバッグが使用されている可能性があるので、安全性が高い新しいバッグに入れ替えたい。
美容業界は日進月歩で進化を遂げており、次々と新しい豊胸バッグが登場しています。
その為「痩せてしまい、体型と胸の大きさが釣り合わなくなった」「位置がちょっとずれたように感じる」「より安全性が高いバッグを使いたい」という理由で、新しい豊胸バッグと入れ替える人もいます。
異物への不安感
今の所、日常生活に支障がないが「異物が入っている」ことに不安感が拭えない。
「豊胸バッグを入れた」ことに嫌悪感があり、何とかして解消したい。
大きな胸に憧れて、豊胸バッグを入れてみたは良いものの、やはり「異物が入っている」ことへの抵抗感がなくならず、抜去を希望する人も少なくありません。
これは周囲が「問題ない」「大丈夫だ」と説得しても、どうにもならない事です。
豊胸バッグ抜去は、前回受けた施術から時間が経っていない方が、ダウンタイムも少なくなるので「どうしても抵抗感が拭えない」という人は、早めに問診を受けましょう。
美容外科クリニックがない田舎に引っ越す
バッグ自体に問題は無いが、将来的に美容クリニックが無い田舎に引っ越すので、取り出しておきたい。
美容外科クリニックは都市部に集中しており、美容外科クリニックが全くないような地方に引っ越してしまうと、万が一、何かあった時、すぐに対処が難しい場合があります。
抜去だけであれば、大学病院や総合病院の形成外科で受けられることもありますが、それすら難しい可能性も考えられますね。
美容クリニックでは豊胸バッグの安全性や耐久性の問題から、10~15年に1回の頻度でバッグ除去や入れ替えを推奨しています。
その為「今後、環境の変化で、美容クリニックに通えそうに無い」という人が受ける場合も少なくありません。
豊胸バッグ抜去・入れ替え費用
豊胸シリコンバッグ抜去・入れ替えが受けられる、美容クリニックの料金をまとめました。
東京イセアクリニック | 料金 |
---|---|
バック抜去+バックプロテーゼ豊胸 | 当院:880,000円 他院:1,010,000円 |
バック抜去+ピュアグラフト豊胸 | 当院:1,100,000円 他院:1,240,000円 |
バック抜去+コンデンスリッチ豊胸 | 当院:1,315,000円 他院:1,430,000円 |
※片胸のみは定価の60%
池田ゆう子クリニック | 料金 | バッグ抜去のみ | 500,000円 | バッグ抜去+脂肪注入法豊胸 | 400,000円 |
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湘南美容外科 | 料金 | 他院バック取り出し | 178,000円 | バッグ抜去+脂肪注入法豊胸 | 400,000円 |
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THE CLINIC | 料金 | シリコンバッグ抜去+コンデンスリッチ豊胸 | 1,400,000円 | シリコンバッグ抜去+コンデンスリッチ豊胸(ベイザー併用) | 1,520,000円 |
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高須クリニック | 料金 | バッグ除去のみ | 全身麻酔の場合+50,000円 | プロテーゼ抜き入れ | 当院:1,000,000円 他院:1,500,000円 |
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バッグ除去のみは20~50万円
豊胸バッグ抜去のみの料金は約20~50万円。
他のクリニックで挿入した豊胸バッグ抜去の場合だと、料金が割高です。
片胸だけの抜去は、上記の費用よりも安くなります。
豊胸手術をした整形外科はとても感じが良く、信頼出来る感じのとこなんですが、 バッグ除去の費用が40万ぐらいで高いんです。
他の美容外科は20万30万のとこもあるので、除去だけなら他の美容外科でもいいかな、と思ってるんですが。。バック除去手術自体は、35万位かかりました。同じ美容外科で豊胸をして、特に不具合などはないが本人の希望で取りたい場合は、この金額だと言われました。何か、不具合があって、除去する場合は、25万。他の美容外科で豊胸したものは、40万と説明されました。
その手術代以外に、麻酔代・血液検査などで10万位かかりました。まあ、手術代金だけみれば、値段なんてあってないようなものかなと感じました。安いからといって、何かの手順をはぶくようなことはなさそうな簡単な手術でしたけどね。
美容外科クリニックでは「豊胸バッグ抜去後、別の豊胸術を用いて、胸の膨らみを取り戻す」という考え方が一般的なので、抜去のみの料金を記載しているところは少なめ。
「抜去だけしたい」という場合は、その旨をクリニック側に伝えて、いくらになるのか見積もりをしてもらうと良いです。
また美容外科クリニックではなく、大学病院や総合病院など、大規模病院で受ける人も少なくありません。
炎症や感染症があり、日常生活に支障をきたす程度である「異物抜去」になれば、健康保険や医療保険が適応される可能性もあるので、より安い料金で抜去手術が受けられます。
あわせて読みたい:
費用負担は約1/3!?豊胸バッグ抜去手術を保険適用で受ける方法
バッグ除去+他施術法の料金は?
豊胸バッグが胸から無くなると、どうしても「胸が小さくなる」や「下垂の程度が大きい」という心配があります。
長期間、豊胸バッグを胸に入れると、周囲の組織(乳腺や大胸筋、肋骨など)が圧迫されて、萎縮してしまうので、抜去後は豊胸前の胸の大きさ、形には戻りません。
いわゆる「えぐれた胸」になりやすいので、以前と同じ胸の大きさを維持する為、再び豊胸手術を受ける人が多いです。
再び豊胸をする場合は「別の豊胸バッグを挿入する」または「脂肪注入法を受ける」の2種類があります。
豊胸術には「ヒアルロン酸注入法」もありますが「持続効果が短い」「触り心地に違和感が出やすい」などの理由で、併用にはあまり向いていないようです。
気になる費用は「豊胸バッグ抜去+他施術法」の合計金額。
「豊胸バッグ抜去」と「他の豊胸術」を別々に受けた場合でも、それほど大きく差は出ないように思います。
「抜去のみで良い」のか「抜去した後、物足りなさを感じたら再び豊胸を受ける」のかは、人それぞれ考えることなので、担当の医師と良く話し合って、自分に合った方法を選ぶことをおすすめします。
施術方法
では実際にどのような方法で豊胸バッグの抜去を行なうのか、分かりやすく説明します。
問診
問診では今現在の胸の状態について質問されます。
「豊胸手術はいつ受けたか」「違和感に気付いたのはいつ頃か」など、事前に聞かれるだろうことをメモをしておくとスムーズだと思います。
医師が視診や触診をして、より正確な症状の把握を行ないます。
その後、エコー検査を受けて「バッグの破損の有無」「石灰化やカプセル拘縮の進行度」「バッグがどの位置に挿入されているのか」などを確認します。
問診や検査を踏まえて、どのような抜去や豊胸が相応しいのか決定します。
施術
麻酔は基本的に「局所麻酔」。
全身麻酔や静脈麻酔、笑気麻酔などに対応するクリニックもあります。
前回、豊胸バッグ挿入時の部分を再び切開して、バッグを取り出します。
バッグの種類によっては、バッグの一部を切って中身を吸引した後、本体を取り出す方法あります。
抜去部位は「アンダーバスト」「乳輪周り」「脇の下」のいずれか1個所です。
症状やクリニックによって、切開場所が異なるので、複数のクリニックで問診を受けて、最も信頼が置ける所で施術を受けることをおすすめします。
バッグプロテーゼ挿入法よりも手術時間は短く、早ければ15分、長くても60分で終わります。
アフターケア
術後のハレや痛み、ダウンタイムなどは、バッグプロテーゼ挿入法と比較して軽いことがほとんどです。
豊胸手術を受けてから日が浅ければ浅いほど、バッグと周辺組織が癒着していないので、その分、軽く済むことが多いです。
大きなハレは1~3日で収まり、問題がなければ1週間後に抜糸をします。
豊胸バック抜去のみであれば、痛いマッサージの必要はありません。
最後に
バッグプロテーゼ挿入法による豊胸は、持続効果が長い分、万が一何かあった時に「受けた美容クリニックが潰れていた」「引っ越してしまい、前の美容クリニックに通うのが難しくなった」ということも考えられます。
現在は「豊胸バッグ抜去後、入れ替えまたは脂肪注入法で胸の大きさを維持する」が主流ですが、今後美容外科の発達により10~15年後では手法が変わってくるかもしれません。
十数年も経てば、豊胸バッグ抜去や入れ替え、脂肪注入法の料金も変わってくると思いますが、基本的にまっさらな状態で豊胸を受ける場合+αの費用はかかります。
既に豊胸済みで「豊胸バッグを除去したい」と思うのであれば、施術を受けたクリニックの先生に相談したり、再修正に評判の良いクリニックにカウンセリングを受けたりしてみてはいかがでしょうか?